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ゴンの妊娠徒然~アメリカあらふぉー妊婦記録~


LA在住。2009年11月 妊娠検査でポジティブ。妊娠と日常に関する我が家のささやかな記録。2010年7月31日ちびごん誕生
by gondaregondare

出産録6~産まれた2010年7月31日午後7時48分~

手術室に行くまでは
とても長い道のりを飛んでるようだった。





下半身には感覚がなくて
意識はあるにはあるんだけど
ボーっとしててフワフワな世界を漂ってるようで。。。
今思えばとても変だった。






私は手術室で変な体験をする。






手術室にはいると
みんな青い服にマスクをしていて
誰が誰だかわからない。




相方はまだ来ない。
相方にはビデオ撮影と
へその緒を切るという任務(笑)があるというのに。。。
どうしたんだろう?
何か問題でも起きただろうか?





手術台から
辺りを見回すと
部屋の中は真っ白で
だだっ広い空間。
ひろーい中を青い人間がワラワラ歩いてる。
気持ち悪い。







50メートルプールの真ん中にポツンと小さい手術台があるような感じ。






相方はちゃんと立ち会えるんだろうか?
もう何も希望は叶えられないけど
せめてニッキーのへその緒は切れるだろうか?






・・・・ボーっとしながら
そんなことばかり考えていた。





執刀医のDr.コーウェンが手術室に来たのがわかった。
やはり主治医は来ないらしい。(※私の主治医は女医)
主治医は多忙でこのコーウェン医師に診てもらうことが多かった。
コーウェン医師が主治医のようなものだった。






(これでコーウェン医師とも最後なんだな~。。。)







手術室右側のドアが開いた。
眼鏡の感じとビデオを持っているので
相方だとわかった。








すごく遠くにいる。









何でもっとこっちに来ないの?




「ねぇ?なんでそんな遠くにいるの?」





「遠くになんていないでしょ?」





「もっとこっちに来られないの?」





「駄目なんだって。俺はこの位置にいないといけないんだってさ」







「・・・・・ふーん。。。」













変なの。





そんなところから手術撮影したって
ちゃんと写せないじゃん。。。
撮影されたくないのかな。。。







相方は私からみて
50メートル四方のプールのような手術室の一番端っこにいた。






その割には声が大きく、、、弾んで聞こえる。
いつもは冷静で大声をだすことなんて殆どない相方が
一生懸命大きな声で




「ごんちゃん!!大丈夫だからな!!
もうすぐニッキーに会えるからな!!」



と、励まし続けてくれている。





25メートルも離れてるのに
会話がとても鮮明だ。。。


 






変なの。。。






手術室の入り口まで何だかとても遠いな・・・
もっと相方がそばにいてくれればいいのに・・・



と思った。










知らない間に下半身がグイグイされだした。
もうとっくにメスが入ってたようだ。
既にニッキーを取り出す段階にあった。








麻酔の効果が胸のあたりまで浸潤してきてる感じがした。
呼吸がきつくなるような気がする。
少し不安になる。
相方に通訳してもらって聞いたが
大丈夫だといわれたので
意識して深く呼吸をするようにする。












ああ・・・
もうすぐ逢えるんだなぁ・・・









身体からグイっと何かが引き離された感じがした。
コーウェン医師が笑った!!







「ごんちゃん!!
産まれた!!ニッキーが出てきた!!」



相方が言った。









赤ん坊というのはすぐに泣くものではないのか?
まぁいいけど・・・
(ボーっとしつつ)






「ごんちゃん!!
ちゃんと手と足に指がちゃんと5本ずつあるよ!!」







そっか~・・ありがたいね~・・・
それにしても産まれたらすぐに抱っこしたかったなぁ・・・
(ボーっとしつつ)








その時だ。




ごいげぇええ
ごいげぇぇぇ
ごいげええええ
うごいげえええええ





ようやくニッキーが
可愛い声からは縁遠い産声をあげた。
25メートルも離れたところにいるのに
耳を劈くような泣き声だ。








どんだけ声がでかいんだ。。。
さすが私のベビー(@@)))









「ねぇ?可愛い?」



当然可愛いっていう返事が返ってくると思って相方にたずねると






「ううん。全然。
エイリアンみたいw笑」



と、答えた。






うそつけ。
ほんとは可愛くて仕方がないくせにのに。








へぇ・・・でもそうなんだ。。。
エイリアンみたいなんだ~
(ボーっとしつつ)







「へその緒切ったよー!!
なかなか切れなかった!!ゴムみたいだった!!」







へぇ・・・
ゴムみたいなんだ~
よかった~へその緒は切れたんだねぇ~

(ボーっとしつつ)












手術の後を塗ったりしてるときに
お包みされたニッキーが私の顔の横にやってきた。









ほわわわわあああああああん
かわいいいいいいいいい
抱っこできないのが悔しいけど
エイリアンじゃないじゃん!!
めちゃめちゃ可愛いじゃん!!







じわーーーーーーーーっと
視界がぼやけた。





可愛い可愛い可愛いいい!!!
妊娠後に出血したときも
子宮内壁が分厚くて居心地が悪いであろう私の子宮に
ずーっとずーっとしがみついててくれて
大きくなってくれて
こうやって目の前にきてくれて。。。


ありがとうありがとう、、、
ありがとうニッキー。。。






初めてのキスもした。
目の横にチュっと。




私の人生で一番素敵な瞬間だった。








ニッキーは他人事。
何だか面倒臭そうな世界にでてきちゃったなー・・・
あたし眠いのにさ~
とばかりの顔をして
欠伸したり
うにゃうにゃむにゃむにゃ虫みたいにしてた。








2010年7月31日
午後7時48分
娘ニッキー(ちびごん)誕生。








病室に入ってから48分で産まれてしまった。
これはスピード出産というべきか?









その後は帝王切開した人だけが行く回復室で数時間過ごした。







少し余裕が出来たので
お世話になった皆さんへ電話したり
面会したり初めての授乳をしたりした。





相方もニッキーに初キスをした。
これは相方がずーっとこだわってたこと。
他の誰にも最初にキスさせないためには
産まれたてのエイリアンのときにキスするしかない!!

本気で言ってて
本当にキスする気満々だったが
帝王切開になってしまって期を逃した。






日が変わるまでに回復室からはどんどん人がいなくなって
私たちだけになった。
※この日一番最後の帝王切開だったらしい。




「今キスしちゃえばいいじゃない?
写真とってあげるよ♪」







おずおずとキスをした相方。





写真を添付したいが
実は入院中にとった126枚もの写真が行方不明。
泣くに泣けない。。。
でも事実。






幸いまだニッキーのキスは私以外には奪われていなかった。
あんな相方の顔もみたことなかった。
照れてる様な・・・?
どうしたらいいかわからないような?
幸せを通り越して辛そうな顔をしていた。爆




いつかはニッキーの唇も誰かに奪われるんだろうがのぉ・・・(鬼嫁)









初めての授乳の
お互いのぎこちなさは半端じゃない。




赤ん坊の本能で必死に吸い付こうとする姿に
親はまたしてもノックアウトされてしまう。






子供とは純粋で無垢な存在・・・思い知った瞬間だった。








私はお腹がすいていた。




家を出る前に肉は食べたが
3分の1で終わってしまってた。

お腹がすいたー
お腹がすいたー
結構元気だから何か食べちゃ駄目?ねぇだめ?(@@)))

・・・と、相方を困らせた。






看護師が巡回にきた。





「何か問題はありませんか?」




「・・・・彼女がお腹がすいたと言っているんですが。。。」




「明日の朝まではリキッドしか駄目なのよ。。」



「例えばステーキとかは食べられませんか?」



※スムージーにするしかないわ。。。」


※看護師は冗談で言ったのかと思って
私は笑ってしまったのだが
実際病院食では食事全部をスムージーにして食べたりするのだそうだ。。。
本気で言ってたのかもしれないw




日が変わって1時半過ぎ
回復室から病室へ移動した。








これから数日間
親子だけで蜜月。






★★★★★★★★





※撮影したビデオを家で観るときに判明した事実。
私が50メートルプールのように広いと思っていた手術室は
とっても狭い空間だったということ。
よって相方は私のすぐ横に立っていた。
遠くはなれてるのに
声は大きく聞こえたのは
麻酔による幻覚症状だったと思われま。




とっても奇異な経験でありました。





★★★★★★★






by gondaregondare | 2011-07-30 01:33 | 出産録